Bob Dylan『Desire』
ボブ・ディラン『欲望』(1976)
今やノーベル文学賞受賞者ボブ・ディラン大先生である。いやその前からすごく偉い人ではあったんですが。
このアルバムの一曲目の「ハリケーン」は、黒人ボクサー、ルービン・ハリケーン・カーターの免罪事件を扱っているプロテスト・ソングであるが、ディランの曲の中で音楽的に最も優れた作品に仕上がっている。饒舌に語るように歌うディランは最高である。
スカーレット・リヴェラのバイオリンとエミルー・ハリスのコーラスが全面的にフューチャーされているこのアルバムはディランの最高傑作だといっても過言ではない。
他の曲もいい曲ばかりそろっている。「コーヒーもう一杯」「モザンビーク」「サラ」と思いつくだけでもすぐに出てくる。
ジャッケットの横顔写真も素晴らしいし、あまりに完璧なアルバムで文句の付けようがないのである。